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「お笑いライブ」とやらに行ってきた。
人生初である。
ライブと言っても、その専門学校の発表会的なものらしく、
友人がそれに出演するから、見に来ないか、という話だった。
高校時代の友人ゆえに、ライブもその程度のものだと思っていた。
「お笑いスクール」という名前からも、どこかそう思っていた。
しかし、驚いた。
「普通に」面白かった。
素人の自分が言うのも、どうかと思うが、
彼らは、確実に芸人だった。
技量もあると思った。
足りないのは経験だけじゃないのかとも思った。
さて、肝心の友人の彼であるが、
残念なことに、客席の反応はいまいちであった。
本人も、「身投げしてくる」と言うほど気落ちしていた。
彼は、そのネタの後に行われた大喜利で手を挙げていた。
大勢の「芸人」に囲まれ、私からは彼を見つけることさえ難しかった。
その中、彼は手を挙げていた。
高校時代、文化祭でのクラス発表の劇で、
シリアスな内容の中の、ひと笑いを誘う貴重な要員として、彼はその才能を発揮していた。
大げさな書き方だが、自分のいた世界では、そんな感じだった。
共学の公立高校である。そんな感じで当たり前だと思う。
今日の彼は、高校時代の彼とは、何か違う気がした。
彼が違う、というより、取り巻く環境が違うため、そう見えたのだろう。
私は現実を見た気がした。
予想していたし(失礼な話ではあるが)、驚くつもりもなかったのに、はっとした。
と同時に、彼はプロを目指すプロだった。
そちらの方が衝撃的だった。
前述の通り、彼らは芸人であった。
たまごだろうと見習いだろうと、そこへと踏み込んだ芸人なのだ。
そして、アマチュアのプロだった。
彼の挙げる右手を見てると、妙な気分になった。
夢のない自分が彼らを見て笑っている構図が皮肉にも思えた。
面白かった芸人に○をつけるアンケートに答えた。
彼は「俺ら(コンビ)に○をつけて!」と言っていた。
一緒に来ていた友人は、言われるがままに○をつけていたし、
ためらいながらも、自分も○をつけた。
その後、アンケートの結果が発表され、彼は落ち込む。
そして、「身投げしたい」と語り、来てくれたことに感謝をしていた。
私の笑顔が引きつっていたのは言うまでもなく。
投稿者 ymfktw | 返信 (1) | トラックバック (0)